WORKS&TOPICS
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2021.10.05
DESIGN 保育園 企業主導型保育園ゆうき保育園
企業主導型保育園ゆうき保育園の特徴!
BIMを主力に、オフィスや障がい者施設、介護施設、保育園、店舗など様々な用途の施設設計を、
鹿児島、福岡、東京など全国のエリアで活動している設計事務所、ixreaです!
先日無事竣工し、10月1日から開園となりました、
長崎県長崎市の企業主導型保育園ゆうき保育園。
今日は、この保育園の設計的な特徴をご紹介します!
木造平屋建て、主にヒノキを使用
桧(ヒノキ)は木材の種類です。
他にも松とか杉とかありますが、桧は耐久性や強度など、他の樹種に比べて品質の高い木材です。
九州では大分や熊本が産地になります!
桧はお寺や神社にも多く使われていて、湿気にも強く長持ちする材です。
1300年以上前に建てられた法隆寺も使っているので、耐久性は折り紙付きですね〜
桧に含まれる成分には抗菌効果があり、木材を腐らせる腐朽菌の増殖を抑えたり、
ダニやシロアリを防ぐ効果もあるようです!
防蟻処理も当然していますが、より安心です(^^)
輻射式冷暖房を採用!
ゆうき保育園では、一般的なエアコンではなく、輻射式冷暖房を採用いただきました!
輻射式冷暖房??聞き慣れない言葉ですよね〜
冬にオイルヒーターを使っている人もいると思いますが、それに近い方式です。
通常のエアコンは空気そのものを暖めたり冷やしたりして、それを吹き出して温度を調整します。
ただ、どうしても風が直接当たるところは寒い、そうじゃないところは暑いとか、
冬は部屋が乾燥してしまうとか、ちょっと使いづらいところもありますよね。
石油ファンヒーターだと部屋は乾燥しませんが、換気が必要だし、夏はやっぱりエアコン必要だし、
オイルヒーターも夏は活躍できないし。。。
と、色々考えた結果、通常のエアコンがbeterとなるケースが多いです。
ゆうき保育園も、当初の計画は床暖房+エアコンでした。
ただ、設計開始時はコロナ禍真っ只中、、少しでもコロナ対策をしたいという要望をいただき、
この輻射式冷暖房をご提案しました!
このシステムは、壁際に設置されたパネル自体が冷たく&暖かくなり、輻射熱(放射熱)で部屋の床や壁を冷たく&暖かくします。
直接空気の温度をコントロールするのではなく、床や壁など建物自体の温度をコントロールするんですね。
その上で、輻射熱(放射熱)は在室する人にも影響します。
ここはオイルヒーターとか、日中の日差しも同じですね。
そして、このシステムは「冷たい」もできるのが特徴です!
夏は、パネルが冷えて空間全体を涼しくしますが、パネル自体は汗をかきます(結露します)。
これにより室内の湿度を抑えて、快適な湿度、温度を保ちます。
冬はパネルが暖かくなり、部屋全体を暖かくするため、部屋を乾燥させることがありません。
どうしてもエアコンだと室内が乾燥してしまうので、加湿器を併用している人も多いと思いますが、
このシステムはその心配が無いです(^^)/
これならウイルスも繁殖できませんね〜〜
空気を吹き出して飛沫をまき散らすこともないので、正にコロナ禍には最適なシステムです!
部屋全体を涼しく&暖かくしてくれるので、別で床暖房を設置する必要も無くなりました。
イニシャルコストは高めですが、電気代は大分安く抑えられるようです。
室内環境も良くなって、電気代もお得!
ちなみに今回は全てのガラスがペアガラス、サッシはアルミと樹脂の複合サッシ、
全熱交換式換気設備も併用して、より室内環境が安定して保てるように工夫しています(^^)
ixreaの鹿児島事務所でもこの輻射式冷暖房を設置していますので、
気になる方は是非見学にお越しください〜
採用した輻射式冷暖房システムのメーカーHPはこちらです
F-CON
子供の安全を考えた工夫が色々と
保育園となると、小さい子供が中心の施設になります。
ゆうき保育園も0〜5歳児を預かる予定なので、
予期せぬ動きで子供に危険が生じないように、様々な対策を施しています!
コンセントや照明のスイッチなど、
電気系統は全て高い位置に設置して、子供の手が届かないように。
扉の吊り元など、動く部分、子供が指を挟む可能性がある部分は、
指つめ防止のガードを設置。
鏡やガラスは全て室内側に飛散防止フィルムを貼り、
万が一割れた時にも子供に破片が飛び散らないように。
ロールスクリーンの操作チェーンは、子供の手の届かない高さに。
これ、首が引っかかると死亡事故に繋がるので要注意です!
手を洗うところには、子供の手の届かない高さに石けん&アルコール消毒置き場を。
床材は抗菌だけでなく、抗ウイルス効果もある材料を選定!
壁材はセラミックを混ぜ込んだ、輻射式冷暖房対応の壁紙です。
とにかく角は無くす!
角が出るところは丸い木やクッション性のあるアングルを設置して子供が転んで角に頭をぶつけても
怪我しないよう、徹底的に無くしました。
などなど、上げればキリがないですが、
高齢者福祉施設や通常の店舗、事務所では考えないような工夫が盛りだくさんです。
保育室の音環境の設計を忘れないでください!
保育園といえば、、、
「木の温もりを〜」ということで天井が板張りだったりしませんか??
これ、音環境としては必ずしも良いとは言えません!
音環境の設計って、保育園の計画でなかなか話が出ないかもしれませんが、
0〜5歳という成長過程でとても重要な年代の子供たちが過ごす保育室の環境は大事ですよね。
温熱環境とか、感染症対策はすぐ思いつきますが、音環境までなかなか気が回らないことが多いのかもしれません。
むしろ、音環境といえば外からの騒音を防ぐとか、近隣へ配慮して音が漏れないように工夫するという事に目を向けられがちです。
なぜか?
それは、日本では保育室の音環境の基準が無いからです!
欧米では、基準を定めている国も多いのにです。
複数の子供が騒いでるとき、保育士の先生が「静かにして話を聞いて〜」と大きな声で話したとしても、
なかなか静かになってくれない。
これ、子供に声が届いてない可能性があります。
音は部屋の中を反響し、それが増幅してまた耳の中に入ってきます。
なので、誰が何を話しているのか、聞き分けることができなくなります。
騒がしい居酒屋って、隣の人の声も聞こえづらいですよね。
全く同じ状況が保育室でも起きているんです!
これに気づかず「話をちゃんと聞きなさい!」と怒ってしまっては、子供の成長に悪影響です。。
悪いのは室内の音環境なんです!
これを改善するには、音を反響させない、部屋の残響レベルを抑える工夫が必要です。
そのために必要なのは、「音を吸音する」ということです。
ゆうき保育園では、天井は全て岩綿吸音板を使用しています。
子供たちの高い声を天井材が吸音し、部屋全体の残響レベルが抑えらるため、
ざわざわしない、はっきりと先生の言葉が聞き取れる環境となりました!
ちょっとした事ですが、材料一つの選定次第で環境が大きく変わり、子供の成長へも影響がでてしまいます。
設計する側も、日々勉強が必要です(>_<)
新築だけでなく、改装でも対応できることはたくさんあります!
ゆうき保育園は新築でしたが、
ここで紹介した工夫は、改装でも力を発揮するものが多いです。
音環境の改善や、空調方式の変更など、
ご検討の方はお気軽にお問い合わせください〜
保育園、幼稚園、こども園などの設計、改修計画のお問い合わせは下記から
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