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2021.11.17
COLUMN DAILY
長崎日記② -路面電車とまちづくり-
長崎は、今日は雨上がりだった。
上園です。
さぁて、長崎日記第2弾です。
前回をまだ読んでない方はこちら
日本には路面電車が走っている。
皆さんは、
日本に路面電車が走る都市がいくつあるか知っていますか?
答えは、
17都市(22路線)です。
京都の嵐山を走る嵐電や、
広島の市電などは、
すぐに思いついたでしょうか。
ixreaの地元、鹿児島市にも市電が走っています。
市民の足として、
観光のインフラとして、
日本には路面電車が走っています!
ちなみに、
湘南を走る江ノ電は路面電車じゃありません。
江ノ電はJRなどの普通鉄道に分類されます。
「え、うそ?」と思った方。
普通鉄道と路面電車の違いを調べてみると面白いですよ。
参考ページはこちら
日本の路面電車 22路線 徹底紹介
路面電車が走るまち、長崎
さて、長崎もまた、路面電車が走る街です。
今回私も大変お世話になりました!
今日は、この路面電車とまちづくりについてのお話です。
長崎の路面電車を運営しているのは、
長崎電気軌道という会社です。
はい、なんと民営です!
実は、路面電車の経営は簡単ではありません。
鹿児島市電は市営で、市民の足となる役割があるのでなんとか成立しています。
それでも長崎の路面電車が民営で続いているのには秘密があります。
それは長崎の地形に重要なヒントが隠されています。(*他にも様々な理由があります。)
長崎の市街地は、海と山に挟まれた細長い形をしています。
地図をみるとよく分かります。
長崎の路面電車は、この細長い市街地を縦断するように走っています。
すると、路線がカバーする人口の割合が高くなります。
つまり、多くの市民が住むすぐ近くを路面電車が走っているので、比較的多くの利用者が見込めるのです。
これは経営的に考えてもとっても有利ですね。
長崎の路面電車は地形に支えられているのですねぇ。
長崎電気軌道株式会社
HPはこちら
路面電車とまちづくり
今、長崎では路面電車を新しいまちづくりに活かそうという動きがあります。
路面電車がどうしてまちづくりに関係するのか。
その理由はまず、未来のまちづくりの潮流を説明する必要があります。
いま日本は人口減少社会を迎えています。
人口が減るのに、まちが広いままだと、
色々と無駄が多くなってしまいます。
たとえば、行政サービスやモノをまちの隅々に行き渡らせるのに、時間やコストが掛かって仕方ありません。
そこで、都市機能(公共施設・医療施設・商業エリア・住宅地など)をコンパクトに集約化することが議論されています。
コンパクトシティという考え方です。
コンパクトシティ化
都市の中心部に行政,商業,住宅などさまざまな都市機能を集中させること。商店街や地域コミュニティの再生が活性化につながると考えられている。特に,自治体の財政難や人口減少によって都心の空洞化が進む地方都市で重要とされている。
また、地球に優しい循環型社会というビジョンが世界共通の認識になりつつあります。
こうした状況下で、
コンパクト化された都市機能を効率化に繋ぐ交通手段として、路面電車が注目されています。
自動車依存のまちづくりから、路面電車中心のまちづくりに変えようという考え方です。
次世代の路面電車システム“LRT”
路面電車中心のまちづくりに変えようと言っても、今のままではダメです。
路面電車も進化しなければなりません。
具体的には、
①時間通りにいつでも乗れる快適な交通システムであること
②CO2排出量が少ないこと
③市街地の回遊性向上に繋がる路線であること
④バリアフリーでみんなに優しい乗り物であること
などです。
そこで登場したのが次世代の路面電車“LRT”です!
LRT
Light Rail Transit(ライト・レール・トランジット)の略で、低床式車両の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた交通システム
海外では早くから登場しています。
日本では2006年の富山市が最初でした。
今では、広島市や函館市など幾つかの都市で導入されています。
しかしながら、都市を変えることは容易ではありません。
長い時間が掛かることでもあります。
LRTを導入したからといって、公共交通活性化を軸としたコンパクトで持続可能なまちづくりに繋げられるかは、まだまだこれからの課題です。
LRT都市、長崎を目指して
そんな中、長崎市では、2022年1月にLRT都市サミットが開催されます。
路面電車のLRT化に取り組む都市が意見交換し、連携しようというサミットです。
ヒトと環境に優しい社会を形成するために、とても有意義な機会だと思います。
長崎の路面電車のこれからに注目ですね。
LRT都市サミット
HPはこちら
以上、今回は路面電車とまちづくりに関する少し真面目なお話でした。
次回は少しライトに、長崎の建築巡りしますよ!
お楽しみに!
つづく