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2022.01.25

COLUMN

無筋のコンクリートブロック塀にはお気をつけください!

無筋のコンクリートブロック塀にはお気をつけください!
大分県建築士会の方から写真いただきました

こんにちわー

BIMを主力に、オフィスや障がい者施設、介護施設、保育園、店舗など様々な用途の施設設計を、

鹿児島、福岡、東京など全国のエリアで活動している設計事務所、ixreaです!

 

先週末、大分や宮崎で震度5強を観測する地震がありました!

 

夜中の緊急地震速報にびっくりして、

日向灘で地震発生にまた驚き、、、

 

こちらは震度4程度だったので大きな被害はありませんでしたが、

まだまだ余震も続きそうなので警戒が必要です(-_-;)

 

木造や鉄骨造の建物は、鉄筋コンクリート造の建物に比べて

揺れによって動く量が大きくなります。

建物の建っている場所の地盤の状況によっても揺れ方は大きく変わります。

 

震度5強では構造的な被害が大きくなることは無いですが、

壁にひびが入ったり、床のタイルにひびが入ったり、瓦が落ちたりなどの被害は出てしまいます。

例えば壁のタイルにひびが入ってしまったら、その後の余震で剥落する可能性もありますので、

心配な様子があれば、建築士に一度相談することをお勧めします!

 

コンクリートブロック塀は注意が必要

TVのニュースなどでも、コンクリートブロック塀が倒れている様子が報道されていました。

 

地震の揺れがここまで強かったんだねーと思われる方も多いと思いますが、

ちょっと待ってください!

それはもしかしたら違うかもしれません!

 

というのも、倒れているコンクリートブロック塀は、ほとんどが「鉄筋が入っていない」ものだからです。

 

コンクリートブロック塀にも構造基準がある

建築基準法や建築基準法施行令によって、

コンクリートブロック塀にも構造基準が定められています。

 

例えば、補強コンクリートブロック塀の場合、

高さは2.2mまで、ブロックの厚さは15cm以上(高さが2m以下の場合は10cm以上)、

高さが1.2mを超える場合は控え壁を3.4m以内毎のピッチで設置、などなど、

細かい基準がありますが、その中でも「鉄筋を入れる」のは必須の項目となります。

 

つまり、鉄筋が入っていないコンクリートブロック塀は建築基準法違反ということに=

(構造計算で安全性が確認できれば必須ではないですが、鉄筋無しで安全性担保は難しいかと)

 

今回の地震でもそうですが、

倒壊しているコンクリートブロック塀は、鉄筋が入っていなかったり、

構造的な不備があるものがほとんどだと思います。

 

しっかり構造基準を満たしていれば、震度5強程度の地震では倒れません!

 

問題は、構造基準を満たしていないコンクリートブロック塀が多いということです。

コンクリートブロック塀の上に目隠しフェンスを設置しているような場合も要注意です!

 

ちなみに、補強コンクリートブロック塀の構造基準が制定されたのが昭和45年。

今から50年以上前の話です。

 

倒壊しているものは50年以上前に建てられたものかというと、、、

そうでもないものもありそうです(T_T)

 

お金をかけたくないからと安易にブロックを積み重ねるのではなく、

しっかりと構造基準に適合した施工をすることが求められます==

コンクリートブロック塀の改修はなかなか進まない

2018年に発生した大阪府北部地震では、コンクリートブロック塀の倒壊により死者がでています。

これを受けて国土交通省は、避難経路遠藤の一定規模以上のブロック塀等を耐震診断の義務づけ対象に追加しました。

 

避難路沿道で前面道路に面する部分の長さが25mを超えるもので、

一定の基準にかかるものは耐震診断を行う義務があります。

 

コンクリートブロック塀の倒壊は、直接人を傷つけるだけでなく、

避難経路を塞いだり、緊急車両の通行や救助活動の妨げとなる場合が多々あるからです。

 

ところが、誰もが問題だとはわかっているのに、

なかなか改修が進まないのが現状です。。

 

所有者が建築基準法違反の状態に気づいていない、

お金が無くて改修できない、

もはや誰が建てたのかもわからない、、

などなど、理由は様々です。

 

我々建築士は、災害時に人の命を救えるスキルはありません。

しかし、建物や工作物により発生する被害を減らす事はできます。

 

建築基準法違反状態の建物や工作物が壊れて人に被害が出れば、それは人災です!

 

建物の所有者、建築に携わる技術者もしっかりと自覚しないといけませんね〜

 

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