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2026.01.13

建築・設計

失敗しない建築の設計依頼!初期相談から完成までのプロセスと費用を徹底ガイド

事業者が新たに施設や店舗、オフィスを計画する際、建築設計をどのように依頼し、プロジェクトがどのステップを経て進んでいくのかを理解しておくことは、事業成功の大きなポイントになります。建築は用途や規模、法規、コスト、スケジュールなど多くの要素が複雑にかかわるため、初期段階で正しい方向性を掴むことが重要です。

本記事では、建築設計事務所への設計依頼の流れを、初回相談から基本設計・実施設計、工事管理、引き渡しまで、事業者視点で整理して解説します。また、設計費用の考え方や告示8号にもとづく算定方法、打ち合わせを円滑に進めるポイント、設計事務所の選び方など、プロジェクトのリスクを抑えながら進めるための実務的な知識をまとめています。

設計依頼の流れ

1. ご相談・ヒアリング
建築の設計依頼は、まず事務所への相談から始まります。
このとき大切なのは、建てたい建物のイメージや使い方、予算、希望するスケジュールなどを率直に伝えることです。「どんな建物にしたいのか」「どのように使うのか」という思いを共有するほど、後のプラン提案の精度が高まります。
事業計画との整合性を含め、初期段階で情報を共有しておくことが、プロジェクト全体の成功につながります。

とはいえ、まだ具体的に決まってない段階だと相談できない、という訳ではありません。土地の選定や事業計画についてもご支援できる部分も多々ありますので、お気軽にお声がけください。
2. 初期プランの提案を受ける
ヒアリングした内容をもとに、設計事務所から概略のプランやボリューム案、プロジェクト全体の進め方などが提案されます。

間取り、ボリューム、デザイン、法規チェックの方向性などが示され、自身のイメージと合っているか確認するフェーズです。この段階では、修正や追加の要望を重ねながら、建物の大枠が見えてきます。
3. 設計契約を結び、基本設計へ進む
初期プランで全てが決まる事はありませんが、デザインや方向性のイメージが合っている、この設計事務所となら一緒にやっていけそうだ、と感じたら、設計事務所と正式に設計契約を結んでいただきます。

契約後は、間取り・構造・設備・外観デザインなどを具体的に決めていく「基本設計」へと進みます。動線計画、利用者の使い方、必要な機能、こだわりなどを細かく反映していく大切な工程であり、施設運営にも直結する内容を丁寧に整理していきます。

基本設計の段階で、建物の概要は全て詰めていきます。ixreaでは、3Dのモデルを活用しながらイメージを共有し、齟齬がないか、漏れがないかを随時確認しながら、進めていきます。
4. 実施設計・見積り調整
基本設計で建物の内容が確定したら、施工会社が見積もりを作成できるレベルまで詳細を詰める実施設計の工程です。この工程では図面がより詳細になります。同時に施工会社との見積調整が行われ、予算と仕様のバランスを確かめながら進めます。コスト管理と品質管理の両方が求められる重要なフェーズです。

同時に、着工するための法的な手続きを進めていきます。建物を建てるにあたって必要なのが確認申請の手続きです。作成した図面に基づいて、建築基準法に適合しているかどうかを確認する作業です。

また、地域や用途、規模に応じて、様々な法令、条例の手続きがあります。問題なく工事に着手できるよう、こちらも平行して手続きを進めていきます。
5. 工事・監理・引渡し
法的な手続きが完了し、工事費の合意、契約ができたら、ようやく着工となります。実施設計がまとまると工事が始まります。

設計事務所は図面通りの施工が行われているかを確認する「監理」を担当し、施工の品質や工程が適切に進んでいるかをチェックします。建物の完成まで伴走し、竣工後の引き渡しへと進みます。

設計依頼の費用と相場

●設計費用について

— 国土交通省告示第8号にもとづく透明な費用算定 —

建物の設計には、敷地調査や法規確認、基本設計・実施設計、構造・設備の検討、工事中の監理など、多くの専門業務が含まれます。そのため「設計費はどうやって決まるのか」が分かりづらく感じられる方も多いと思います。

この不透明さをなくすために、国土交通省は 令和6年告示第8号 を定め、建物の種類と規模に応じて「設計・監理に必要な業務量(時間)」を明確にしました。設計費の算定根拠を示すための国のガイドラインです。

【告示8号による設計費の考え方】

1)建物用途 × 延べ床面積から、設計・監理に必要な標準業務時間を算出

2)敷地条件、特殊な法規対応、打合せ回数、追加申請などに応じて時間を増減

3)技術者の時間単価(例:7,000〜15,000円/h)を掛けて報酬額を算出

これにより、

「どの業務にどれくらいの時間が必要か」

「なぜこの費用になるのか」

を客観的に説明できるようになりました。

【ixreaの設計費用について】

当社では、告示8号の基準をベースに、プロジェクト条件を丁寧にヒアリングした上で最適な設計費を算定します。

  • 作業内容ごとの業務量
  • 必要な検討プロセス
  • 追加費用が生じるポイント

などをわかりやすく提示し、納得感のある設計費用をご説明します。設計費は、建物の安全性・耐久性・使いやすさを守るための大切な投資です。しっかりと設計に時間を掛けることで、工事トラブルの防止、コストの最適化、維持管理の効率化にもつながります。

まずは、ご計画の用途や規模をお知らせください。設計費用の概算額をご案内いたします。

設計依頼時の打ち合わせの進め方とポイント

設計依頼の打ち合わせでは、初回の段階で検討内容を整理しておくことが、プロジェクトを円滑に進めるための大切なポイントになります。以下の項目を事前に共有しておくと、設計者との認識のズレを防ぎ、より精度の高い計画につながります。

初回打ち合わせで話しておくと良い事

  • やりたいこと・やりたくないこと
  • デザインの好み(写真が有効、最近ではSNSから探す方も)
  • こだわりの優先順位
  • 予算と完成希望時期

打ち合わせ時の注意点

  • 曖昧なまま進めない
  • 不安点は必ず確認する
  • 予算は正直に伝える

「納得して次の工程へ進む」ことを心がければトラブルを避けられます。

設計事務所の選び方

建築プロジェクトを安心して進めるためには、どの設計事務所へ依頼するかが大きなポイントになります。事業者として失敗しないためには、以下の比較軸を意識して検討することが重要です。

失敗しないための比較軸

  • 提案力
  • 設計内容がわかりやすく説明されるか(3Dモデルを利用など)
  • コミュニケーションの取りやすさ
  • BIMなどのデジタル対応

一方で、以下のような特徴が見られる事務所は、後々のトラブルやストレスにつながる可能性があります。

避けた方がいい事務所の特徴

  • 相談時の説明が曖昧
  • 図面での説明のみで、全体のイメージがつかみにくい
  • デザインを押し付けてくる
  • プランの手戻りが多い

事務所選びで失敗すると、後のストレスが大きくなるため要注意です。

よくある質問

まだ計画が漠然としていますが、相談しても大丈夫ですか?

はい、問題ありません。
用途や規模が固まっていなくても、敷地の状況、ご予算、叶えたいイメージをお聞きしながら、可能性を一緒に整理していきます。
「まず何から始めればいい?」という段階からご相談いただけます。

設計費用はどのように決まりますか?

国土交通省の 告示第8号(令和6年) に基づき、建物の用途・規模・条件から必要な業務量(時間)を算出して決定します。

敷地調査、基本設計、実施設計、確認申請、工事監理などの業務に必要な時間を算出し、技術者の時間単価を掛けて設計費を算定します。費用の根拠を明確にし、丁寧にご説明します。

 設計費用の目安はありますか?

建物の種類や規模により異なりますが、以下が参考です(新築の場合)。

  • 住宅:概ね工事費の10〜15%前後
  • 福祉施設:用途・規模に応じて個別算定
  • 商業・業務施設:業務量に応じて個別算定

ご希望内容をお伺いして、概算見積りを無料でご提示します。

相談したら必ず依頼しないといけませんか?

いいえ、ご相談のみでも結構です。
計画の方向性や進め方をご理解いただいたうえで、じっくりご判断ください。

設計を依頼すると、どこまで対応してもらえますか?

敷地調査から基本設計・実施設計・確認申請・工事監理まで、一連のプロセスをワンストップで対応します。
また、BIMによる3Dモデルを用いた説明、コスト調整、関係法令、条例に基づく手続き、行政協議にも対応可能です。

打合せはどのように進みますか?

対面・オンラインどちらも可能です。

初回相談 → 基本計画案の提示 → 設計契約 → 詳細設計 → 工事会社の選定 → 工事監理という流れで進みます。

他社との比較検討中でも相談できますか?

もちろん可能です。

設計事務所ごとに得意分野や考え方が異なるため、比較検討の材料としてお気軽にご相談ください。

設計後のフォローはありますか?

お引き渡し後も、維持管理やリノベーション、増築などに関するご相談に継続して対応します。BIMデータを活用した施設管理のご提案も可能です。

相談に必要な資料はありますか?

お持ちであれば、

  • 敷地の住所
  • 測量図や地図、謄本字図など
  • 希望するイメージ写真(PinterestやInstagramでもOK)

などをご提示いただくとスムーズです。なくても問題ありません。

まずは何から始めればいいですか?

「こんな建物をつくりたい」という簡単なイメージをお聞かせください。
それをもとに、費用・スケジュール・進め方をわかりやすくご案内します。

設計依頼で悩んだら、専門家に相談するのがおすすめ

建築計画は、用途・予算・敷地条件・法規など、多くの判断が必要です。

「何から始めればいいかわからない」という段階でも、設計事務所に相談することで方向性が整理できます。

ixrea(イクシリア)は、建物の価値と使い手の未来を重視した設計スタイルで、初回相談から丁寧にサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

吉田 浩司

吉田 浩司 / 株式会社ixrea  代表取締役

建築設計とBIMコンサルを軸に、多様なプロジェクトに携わる。設計事務所の経営に加え、BIMを活用した教育プログラムやDX支援にも注力。(公社)日本建築士会連合会青年委員長としても活動し、業界全体の次世代育成や地域活性にも取り組む。新しい技術を活用し、建築と社会をつなぐ仕組みづくりを目指している。

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